切り花りんどう栽培をしている当園では、8月上旬は大変な農繁期となり、ジャガイモなど他の収穫、にんにく等の出荷、草管理、ブログ記事なども一時中断しておりました。
りんどう出荷期を迎える前に諸々のやるべき作業を終えること。。田植えやりんどう定植など植え付け作業が一段落した7月ですが、綱渡りのように次々と多様な作業を進めていかざるを得ず、のんびりとはしていられない小規模農家の日常なのでしょう。結局いつも毎日が農繁期なんですが、まずは今年は好天に恵まれたため、7月のにんにく収穫と小麦の刈り取りの作業スケジュールは円滑に進み、収穫も例年より数日早く行うことができて、気分的には楽でした。
そしていま、りんどうのお盆出荷作業もまずは一段落し、7月中下旬に刈っておいた小麦の脱穀の段取りとなりました。
当園では稲刈りと同様に、小麦もバインダーで刈って、それをハウスの中に設置した金属製のハセに掛けて自然乾燥させています。稲よりは茎も細く束の数も少ないので、作業は早く進みますし、そもそも全体量が少ないのでいろんな作業の合間に行っていました。
メインになる品種の南部小麦です。写真は刈り取りの直後です。岩手の味の良い小麦として根強い人気があり、当園でもメインの作付けとなっています。
こちらはライ麦。非常に背が高いです。
脱穀日を迎えた昨日のライ麦。とても美しいゴールドな風合いです。
コユキコムギです。平泉の農家から分けていただいた種の2作目です。
これは乾燥中のにんにくで、この18坪の狭い乾燥ハウスには小麦とにんにくを同時にハセ掛けしております。出荷用はネットに入れて二つ折りにして掛け、乾燥が終わった現在はネットに入れたまま氷温冷蔵庫に入庫貯蔵しています。種用は黒いカゴに入れて、作業場の中、常温で貯蔵しています(ケース3段にコンパネを乗せてりんどうの選別台になっています)。
そして昨日の8月16日、天気も良く、脱穀を行いました。運ぶ労を少なくするためなるべく小麦の近くで行い、ハウスの中から排塵を外に向け行いました。
脱穀後、今度は殻を飛ばす作業です。脱穀により稲は籾になりますが、小麦は直接玄麦になります。ただ折れた茎や穂の残骸などが多く混入するために、選別を行わなくてはなりません。昔なら唐箕でやったでしょうが(当園にもあります)、時間がかかるので、現在は小型の籾摺り機を使用しています。選別といっても米のように屑米を除去する意味ではなくて、ゴミを取るという感じでしょうか。
稲の籾とサイズが違うため籾のついたアラを選別する網は関係なくて、網の上に残って再び籾摺り工程に戻っていくラインに流れるものを、戻さずに、収穫物として袋で受けています(写真下の方のコンバイン袋)。網の下に落ちたものは上の正規の排出路より受けています。大型農家はどうのようにやっているのでしょうか。
夜8時までかかって、今年の小麦も出荷準備が整いました。今朝ほど計量してみましたが、やはり大した量ではありませんでしたね。。。肥料も有機だけで、しかも積雪地というこ不利な点もありますが、計ってみるとおよそ1アールで10kgという感じになります。
大量の生産出荷を目的にしているというよりは、にんにくとの輪作に植えている意味合いもあって、にんにくと小麦を交互に植えることでにんにくが連作障害を起こさないようにという狙いもあります。とはいえ、消極的な意味で栽培しているわけではなく、なぜか小麦栽培には惹かれるものもありまして、いまはごくごく少量ですがコユキコムギやライ麦も植えております。まだ種を増やしている段階です。南部小麦もいつも早期に売り切れてしまうので、今後少しずつ面積を拡大していきたいと思います。
また、もしこれが、じゃあ雑穀などもやってみれば? といった方向も考え得るわけですが、雑穀は機械での作業がまた別に必要となってきます。現状ではすべて手作業になり、時間が取れません。何といっても小麦は稲作の機械が使えるのが最大の強みになります。
余談ですが、盛夏のイワテヤマナシです。定植後まる2年経ち3年目を迎えた今年は生長の進みが旺盛のようです。フルーティな香りの良い実がなるのを楽しみに待っています。