にんにく用に導入した-2度に設定してある冷蔵庫の庫内ですが、1坪もあるので、かさばらないにんにくだけではがらんとして勿体なく、今月から脱穀後の籾を追加で貯蔵しています。とはいえ、勿体ないという消極的な意味だけではありませんで、米も-1〜-2度という気温での貯蔵がベストなのだそうです。
ジャガイモや大根あるいは寒じめほうれん草で、寒さに当てると糖度の熟成が進むという事実があり、実際水と違って糖分の含まれる作物は0度で直ちに凍るものではなく、その温度はそれぞれだそうです。そして凍る寸前の温度というのが作物の保存には優れた効果があり、とも言われていて、せっかくにんにくのために-2度の設定にしているのですから、同じ氷点であると言われる米も入れた方が良いだろうというのが私の判断です。いずれそうでなければ、わざわざ他に作業場のスペースを使って置かなくてはいけないし、そもそも作業場内も真冬には-10度以下にもなったりしますね。作物の貯蔵には温度を一定に保つべし、という常識もあることですし、呼吸を減らして老化を遅くするということにもなりましょう。籾で貯蔵していることで、にんにくから臭いが移るということもまずないでしょう。
春になれば先ににんにくはなくなると思いますが、そうしたら4月いっぱい残るであろう雪を庫内に入れて、0度ギリギリの設定で、電気使用をできるだけ抑え、湿度効果もある雪室貯蔵として切り替えていきたいと思います。あるいはその時点で庫内を+10度に上げたとしても、既に氷温熟成効果は得られているということです。
この作業場の手前は真冬には3mの雪の壁がそそり立って、簡単には来れないところなので(ましてや30kgの籾を担いで壁をよじ登るのは辛い)、春までの出荷分は住宅の方の作業場内の籾摺り計量ラインのそばに常温貯蔵いたします。この氷温熟成米は4月からの出荷の予定になります。
「氷温」という言葉はパテントがあるそうで、鳥取県にある「氷温協会」で管理し技術指導もしているということです。今回-2度設定の冷蔵庫に米を入れて凍ることはないか、氷温協会に尋ねて大丈夫である上に熟成効果も加わっておいしい米になるとのお墨付きをもらい、入庫に踏み切りました。にんにくがあるから、踏み切れたことでもあります。
ちなみに、発泡スチロールの箱には採って来た生のなめこが、1升マスの中にはヤマナシが実験的に貯蔵されています。間違いなく持ちは良いようですよ。いろいろ物は試しで、いま、何でも-2度の試行中。
いったん積もった雪があらかた消え、猛ダッシュでりんどうの片づけに追われております。刈り取りとおおざっぱな運び出しは終わりましたので、あとは細かく片づける作業や草取りに費やします。
また、昨日はタラノキの伐採も行いました。思い切って立ち本数を減らして、太い木を確保することができました。真冬の仕込み期に備え、施設の準備にも、改良を施しつつ、着手しなくてはいけません。