兎平ハイキングに出かけた翌日の10月16日の火曜日に、第1回目の脱穀を行いました。水分も16%台に下がってきており、冬〜春に出荷する分には十分でしょう。他の集落でも脱穀を始めているようでしたし。
稲刈りでも世話になった小泉君に手伝ってもらいながら、3人で作業を進めることができました。2人でもできるのですが、流れが時々中断します。3人いれば余裕でできるので、気分的にもずいぶん楽でした。
小泉君は約束のキャンプに出かけて行き、最後の2時間くらいは2人でやりましたが、この日は天気も良く、最高の稲こき日和でした。全体の2/5くらい脱穀できたのではと思います。
次いで、作業場に籾を収納し、既に掃除だけはしておいた機械類を調整し、天気の悪かった木曜日に初回の籾摺りをして、まず最初の新米をその夜に食すことができました。その翌日から出荷を開始しています。甘みもあり、おいしい玄米でした。
籾摺りは当園では「インペラ式」という籾ロールで摩擦をかけないタイプになります。小型のもので少量ずつになりますが。そこから出た玄米は緑色の選米機(ライスグレーダー)に通され、くず米が下にはじかれます。そして青色の柱の中を上がって行って白いタンクを通過してその下の計量器に載せた袋に入ってくるという流れになります。
ただ1度では籾の除去が完全にはできず、この行程を2度行うことになります。当園は玄米の注文がほとんどですので、籾のまま最後まで残ってしまうものを何とか限りなくゼロにしたいのです。通常の籾摺り機では、籾のまま落ちてきたものをもう一度摺る行程へ送り戻すための金網が4枚あるのですが、これは1枚のタイプのもので、何とか改良をしたいものと考えています。1枚ですとやはり籾のままのものも流れて行ってしまいますので。
稲こき中に、変わったクモを発見しました。胴体がピンクに白の斑点で、キノコみたいにも見えます。検索もしましたが、すぐにはわかりません。ピンクの胴体は小指の幅ほどくらいでしょうか。飼育箱で飼っているはずですが、しばらく忘れていて、ちょっと心配(あとで見たら死亡していました。。)。
昨日10/22のハセの様子。夏まで保管する予定のもので、しっかり水分を下げたいものです。今日は大荒れが予報されており、このハセ最大の試練の日になるかもしれません。要警戒です。
手前のハセは、稲刈り後に田の中に急遽木の杭で設営したものです。深く棒を埋め込んでいるわけでなく、田の地面にラセンを数か所射し込んでロープを通して縛り付けています。当園はハウスもそのような方式でビニールの上からロープで固定しています。
春に一本桜を記事に掲載しましたが、いまは秋。紅葉しています。といっても実は桜に別の木が絡み合っていて、中央部の鮮やかな色は別の木の葉でした。その外側の小さい葉が桜です。いい天気で、写っている早生りんどうの刈り取りにも着手しました(雨の日はウイルス感染の恐れがあり草刈り機で残茎を刈り払うことはしたくありません)。
ネットを重ねて上げ、刈り取り、運び出す作業は延べ1週間はかかります。その前に雪が降ってしまうと、ネットも下げられ支柱も折れるし、残茎も地面にくっついて、刈りづらい。稲の脱穀もですが、この時期は天気に特に左右されます。できるだけしっかり葉が黄色化するのを待ってから着手したいのも脱穀と同じです。
2度機械に通した今年の玄米です。籾摺りはインペラ式ですので、衝撃で胚芽部分を痛めることがあり、これが悩ましい点です(白く見えている部分)。1回の籾摺り行程だけだと衝撃は半分ですみますが、籾が残ります(通常精米すれば籾は除去されますが、当園では95%が玄米での出荷をご希望です)。インペラ式は穀粒の水分ばらつきの多い自然乾燥米に適しているとのことですが、この衝撃がネックですね。
刈った田によっては、ほく若干ですが白く濁った米が見られることがあり、これは高温の影響によるものかもしれません。ただ当地でもあるとすれば、他の猛暑地域ではもっと多いことでしょうか。当園では高温期にはかなり水を多く入れました(8月下旬まで)。一般にはコンバインの操作性のため8月上旬以降は水は控えたいのでしょうが、当園は自然乾燥のバインダー刈り取りであるため、この点は遅くまで水を入れられるメリットを感じます。
この最後の米の調整部分は機械に100%依存する部分で、人間の努力でカバーできないもどかしさがあります。商品としてみれば、米にも等級があるし、籾や白や黒・緑の米が多く混じれば価格にも影響する。そのためにはより良い機械に投資するしかないわけで、当園の現状はまだ機械面では課題だらけ、もちろんそもそも白黒緑米を作らない人的能力面も課題に満ちているわけですが、何より籾の除去には気を使うところですね。
実際のお米の評価というのは、食べていただいたお客さんに判断していただくことですね。汗と気合いだけはかなり投入されているのですが、今年のお米はどのように評価してもらえるでしょうか。毎年ドキドキの季節です。