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奥羽の里、岩手県西和賀町内で耕す暮らしを営んでいます。日々の山村のスケッチや、農産物の販売も行っております。

奥羽の山里からの農村通信
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奥羽の里へIターン移住し、住居を構え、井戸を掘って農業を開始した1996年〜2000年頃の日常を綴ったページです。

            
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合鴨米・自然農法・南部小麦の研修レポート
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    小田1


    この時期には研修会がよく行われますが、岩手有機農研でも 7月15日(日曜日)、雨の中でしたが、現地見学会として2件の農家を訪ねる会合がありました。


    午前はまず花巻市東和町の合鴨水田を見させていただきました。40年慣行農法で稲作を続けておられましたが、近年、当研究会のメンバーの影響もあって、合鴨を導入されたということです。1.8haの水田のうち6反分を合鴨農法で営まれており、ここは無農薬はもちろん無肥料で、反当1.5tの地場産の堆肥のみを施用しているということでした。


    栽培はすべてポット育苗・田植えで、慣行栽培の田植えの後に植え、稲刈りも同様に後から行っています(コンバイン)。見学日は田はまだ水をたたえていて、あと1週間くらいで鴨を引き上げ、落水するとのことでした。中干しと考えれば少々遅い気もしますが、そうではなく、以後はほとんどもう水は入れずに稲刈りを迎えるということです。中干しをしてその後に幼穂形成期頃から8月末頃までは水を入れましょうという常識は必ずしも必須ではないのかもしれません。人力と違い、鴨は引き上げたらそれで終わりでしょうから、いくらでも遅くまで稼いでもらいたいということと思います。



    小田2


    田の水は程よく濁っていて、雑草は全く見当たりませんし、欠株だらけのわが家と違ってきれいな田んぼですね。「ひとめぼれ」です。全般的に丁寧な仕事をされる方と見受けられ、余裕を感じました。いずれ稲の生育に応じて稲を傷つけないよううまく鴨をコントロールしていくことは技術や経験を要することでしょう。初期など、与えるエサ(くず米)が少ないと苗を食害するケースもあるので、鴨の満腹感のさじ加減も重要とか。


    合鴨米の販売は東和町内の産直施設への出荷がメインで、他方、盛岡の業者さんを介して東京方面にも出されているようでした。また岩手を拠点に自然や食に関心を持ち自然とともに暮らしていく生き方を実践活動している「喜楽人」というグループもこの合鴨農法に参画していて、一部の田については「喜楽人」のメンバーが自主的にバインダー刈り取りのハセ掛け作業をし、販売消費まで行っているとのことでした。



    小田3


    これは鴨たちの詰め所です(お休み処)。くず米を置いていますね。


    さて目下の課題は処分した合鴨自体の有利販売はないか、ということ。肉が堅い合鴨は焼き鳥屋さんでも需要は見込み難く、現在思案中ということです。もう少し合鴨栽培自体が増え、その廃用肉の存在も一般化してくれば一定の需給は出てくると思いますが、現在は希少な高級の肉という扱いながら、実際はまだ販路がない(存在感がないという意味もありそう)状態のようでした。


    「合鴨米」には高級なランク付けのイメージも感じられ、単に草取りを鴨が代償しているという意味合い以上に米自体の価値(消費者の持つイメージ)も高めることができるようにも思えます。生き物であるだけになかなか導入には勇気がいることですが、田植え後の1か月のまさにこの時期、私も同等の7反分ある田の草取りに費やされる重労働の日々ですので、試験的にも一部の田からでも始めてみたい気がします。しかも「人力除草の米」よりも付加価値の高いのが「合鴨米」ブランドだとすれば、人の努力も鴨には及びませんよということもあり得ることで。。。


    また鴨の接触刺激が良いのか、生育が丈夫で、いもちにもなりにくいとの印象を持っているそうで、単に窒素投入が少ないからという以上の効果も感じているそうでした。


    会議室へ移動しての質疑応答やその後の昼食時間も参加していただき、話を広くうかがえて、充実した研修となりました。お昼は東和の婦人グループ「つたの輪」さんのお弁当をいただきました。



    わが家の農法では元肥および田植え後に米ぬかを結構投入し(元肥料の方は発酵させてから施用)、また少なくとも8月中は水を切らさないように管理しています。この2点は除草のためというよりも、おいしいお米にならないか、と期待して行っている面が大きいです。合鴨栽培だと遅くまで水を入れている分、鴨を引き上げ後に水を切る(もちろん稲刈りの機械のため)農法が一般的ならば、食味値に影響はないか、ちょっと知りたい気もします。除草の意味(+食味値アップ)も込めた米ぬか散布も当然やらないでしょうしね。しかし鴨の糞とかも入るし、別の風味に仕上がる可能性はありますね。鴨は確かに付加価値がありそうです。人の努力や気合いの注入を前面に出すような当園の方式は時代遅れかも? 人は楽して別のことに時間をかけるべきか。。。



    藤根1


    さて、午後は場所を変え、石鳥谷の「やえはた自然農園」さんにお邪魔しました。園主の藤根さんはもともと農家の子弟さんでありながら、全く慣行と決別した自然栽培(草生栽培・不耕起栽培)を目指していらっしゃいます。


    自然農法にはいろんな段階があり、そこでできたもの(草や収穫物関連物)以外を肥料等として持ち込まないという大前提を基本にしながら、化石燃料も使わない、不耕起・草生の栽培法を目指し、その中間の段階も存在します。後者に近づけばこれは特に稲作では確かに究極的な姿で、野菜以上に難易度の高い困難な栽培技術と思いました。もちろん栽培という一つの断面の話ではなくて、余計なエネルギー使用に依存しない、生き方暮らし方の問題も含まれてあります。



    藤根2


    一通り眺めただけでは把握できないような、雑然としつつも、いろんな生育ステージのものを綿密に計算して植え、常に品目を絶やさないように育てている。しかも生態系バランスを考えていろんな品目が混生しているのですから、その管理運営はさながらパズルを解き進めるように進行していくようです。冬期に綿密な計画を立てておられるようでした。


    品種についても、自家採種を基本として、より栽培の環境にあったものに近づけていく努力を行っていました。これも自然栽培の基本ですね。



    藤根3


    ここはハウスで、雨が当たらない分、草は見当たりませんね。草も取るのではなく、刈って置いて行くのが基本のスタイルになるようです。


    もっとも、稲作となるとこれは相当大変なことで、究極の姿ではあるでしょうが、通常の耕起・代かき・除草の方法が現実的で、エネルギー不使用の自然栽培稲作部門は面積的にはまだ多くはないようでした。ただ田はまた別ですから、野菜の世界において理想の姿を実践されていることに、深い敬意を感じずにはおれませんでした。そして稲も小面積ながら理想を追究していらっしゃる。


    陸羽132号を栽培されているようでしたので、私は本年で終了にしますが、以後は藤根さんにお願いしたいと思います。来年の秋以降は「やえはた農園」さんにということで、当園で種が消失する罪悪感が少し薄らいだのでした。気象的にはここ奥羽の山村よりも適地だと思いますし。



    南部小麦揚げ菓子


    さて、農家関係の研修と言えば、1週間前の7月8日に、「岩手食文化研究会」で岩手県北部の小麦栽培農家を訪ねてきました。南部小麦の出回り始めた当初から栽培に着手した草分け的な方です。食分野での研修ということもあり、あまり栽培的な話題は少なかったのですが、個人的に質問したところ、小麦栽培では深く耕起することが大事で、プラウで深く膝まで掘るのだそうだ。それと堆肥をしっかりと投入すること、と。


    そして南部小麦を使った揚げ菓子も作っておられました。揚げた後に自家製の味噌を塗っています。



    食の匠レストランメニュー


    それから場所を変えて、農家レストランで、岩手県認定の「食の匠」3名が合作で提供するメニューをいただいてきました。「野の里」(九戸村戸田7-43-3 TEL0195-43-2594で予約が必要だそうです)という民家を改造したお店です。右に見えるうどんは、この手打ちうどんで「匠」の認証を取った「匠」のうどんです。もう1品「匠」認定料理があるようでしたが、どれか忘れてしまいました。いずれすごく豪華です。


    南部小麦という一つの品種が時を重ねて農村文化としてのブランドになっている。そう感じました。


    私の個人的感想ですが、レストランという場所がプロの料理家の世界というのでなく、やはり生産者自身に開かれた「農の営み」の分野にもっとなっていけばと思います。農家の農業観も変わりますし、「食」の側に大きく「農」が顔を出していることが大事と思います。


    私が農家としてこの「食文化研究会」に参加しているのも、農の意識や概念をやはり豊かにしていきたいと感じるからです。農が農の内部に閉じこもって、規模拡大や補助金に有利な品目といったことにこだわっているだけでは、農のスタイルは変わらない気がします。各人が、規模が小さくても自分のスタイルを確立して、違ったスタイルの農家たちが地域内で相互に補い合い、それを相乗的に外部に発信していく姿が望ましいと、私は考えております。


    そういう視点から「耕作放棄地」問題や「誰が農地を守るのや」の論点が初めて出てくるのであって、「農地集積」ありきで議論が進む発想には疑念を感じます。はたしてそこで担がれる「担い手」が生きていけるのか。。。


    もちろん単品目の大規模化の市場大量出荷も、農家経営を支える重要な柱であり、当園ではそれが切り花りんどうであるわけですが、りんどうは冬期は仕事の発生がありませんし、出荷時期が集中する作型ですから、大規模化は難しく、中途半端な面積拡大で品質を下げ経営を悪化させてしまう失敗も数多く経験してきました。


    いろんな観点の事業を組み合わせながら、一年中暇なく過ごしていけること、これが大事で、そのための研修会参加であります。

    posted by: 渡辺哲哉(園主) | 農業について | 12:53 | comments(0) | trackbacks(1) | - | - |









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    2012/07/22 11:57 AM
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