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冷夏と、最高にぬかるんだ稲刈りの年。。2017.10.29 Sunday
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今年も紅葉の時期を過ぎ、慌ただしく秋じまいを進めています。いつも春に写真を投稿している山桜も綺麗な紅葉となり、春のピンクと異なって、周囲の木々と同化しています(写真中央やや右下)。晴天が極めて少なかった今年は、紅葉もイマイチ精彩を欠いているところでしょうか。既に収穫期を過ぎた白りんどうと、まさに収穫が終わる淡い紫のりんどう(最後に咲く品種)も、秋色に色添えを与えています。
10月の上旬にいわてっこから刈り始めた今年の稲刈りですが、ずっと雨続き。石カラで干せ気味のこの写真の田のみが唯一まともに機械が入れたという状態で、あとはぬかるんで大変な稲刈りでした。
干せ気味の田は結構良い稲になっており、泥で汚れず綺麗な稲束になっています(あとは結構汚れました)。チェーン除草機とエンジン除草機の併用で、今年は草も例年よりは抑えられています。
そして、晩生品種のひとめぼれは今年は12アールの田1枚のみでしたが、冷夏と雨続きで登熟が遅れ、適期かという頃にちょうど先週の台風21号で延期。その時の雨が田から抜けるのを待って、やっと26日に稲刈りができました。隣のタラの木は紅葉が進んでいるところですね。
ここまで遅れた稲刈りも初めての経験でした。実際籾摺りまで進めてみないとわかりませんが、稲刈り時期をじっとを待つことで、今年の天候でもそれなりの米になっているとしたら、ここ沢内でもひとめは問題なく栽培できることの実証になります。
今年から、いわてっこ・ひとめぼれともに価格を600円/kg(玄米で)に改定させていただきました。HPでお米を販売するようになって初めての改定になりますが、それは主にこのハーベスタの購入によるものです。玄米での販売が多い当園では、白米の出荷時以上にお米の品質が気にかかります。アラ(籾)やくず米、異物などを的確に取り除いて品質を保つためには、このハーベスタと籾摺り機、選別機を備えた計量器の3装置がきちんと正常に稼働してくれることが必須です。欲を言えば、色選機(色彩選別機)があれば完璧でしょうが、これは目玉が飛び出るほどの価格で、われわれ小農家の手に届くものではありません。近所の所有者に頼むこともできなくはありませんが、玄米の30kg袋を1つずつ開けて色選機に通していく作業は、とても面倒がられることです(彼らは最初から乾燥機より落ちてくる籾摺り機ラインに接続して色選します)。カメムシ害の除去に一度お願いしたことがありましたが、確かに面倒をかけました。
紅葉のブルーベリーです。今年のブルーベリーは、カラス対策にネットを掛けましたが、これはある意味、失敗でもありました。ネットを掛けるときに網目が実に引っかかって随分落果させてしまったし、8月後半に行っていた園地の草刈りが、ネットやパイプ支柱の設備が邪魔でできず、最終的に草が伸びてネットと絡まり、結局ネットは取り外す際に大半がぼろぼろに破れてしまって、焼却処分となりました。カラス対策は必要ですが、来年はネットはやめることにします。設備を取り外し、草刈りをして、やっとすっきりした園地に戻りました。
ネットを掛けるために譲られたパイプ支柱は、来年はにんにくの乾燥に使えないかと思案しています。
泥まみれになったバインダーを洗浄し、出荷が終わった作業場内は、農機収納モードに移行しています。農機を入れていたハウスは雪が降る前にビニールを剥がさなくてはなりません。一部稲を干している乾燥ハウスも同様です。りんどうの片づけもあり、秋じまいは実に大変です。春に設置して秋に取り除く。雪が降らない土地から見れば、毎年繰り返されるこの作業の時間は膨大なロスとも言えますね。
ブルーベリー等の雪囲いとタラの木の伐採、稲扱きが終わったらハセの片づけもあり、冬はまだまだ来て欲しくないところです。
もうひと頑張りです。
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盛夏前に、にんにくと小麦、ブルーベリーの収穫2016.07.29 Friday
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7月に入り、今年もにんにくと小麦の収穫、そしてブルーベリーの出荷に追われ、諸々の草取り作業、草刈り作業と併せ、いつもながら大変忙しい日々を送っています。懸案のにんにく掘りもまずは無事終了し、乾燥ハウス内で、ほぼ乾燥が終わろうかという段階になっています(7/29現在、重量25%減)。
まずこちらはホワイト六片になります。日本を代表するメジャー品種であり、青森の名産となっている品種ですが、まず風土の近いここ岩手の地でも無事育ってくれたようです。Mサイズのご注文が多いですし大玉を作りたいのは山々なのですが、大きめのものは種にもしなければならず、量的にやはりSが多くなります。。。
こちらは、左側に県をまたいで隣の町、横手市に合併した旧増田町八木地区の在来種「八木」です。今年は割と大きいものが採れましたが、それは全量種に回さなければならず、当面出荷はS品のみとさせていただく予定です。秋に植え付けが終わった後に、Mクラスの出荷も多少できればと思っています。八木はホワイト六片と異なり種用ににんにくを気軽に購入することはできず、100%自種で植え続けています。
こちらは、「八幡平系」になります。「八幡平」は岩手のほぼ唯一の在来種として伝統を有するにんにくですが、なかなか大きくならず、結果、量産が難しい品種でありました。比較的良いものを揃えて撮りましたが、今回は以前よりは良く穫れており、今後絶やさずに、当園なりの選抜をしていきながら、良質で作りやすいにんにくにしていきたいと願っているところです。
畑で掘ったあと数時間寝かせて少し乾燥させた状態で作業場に持ち込み、今度は夜なべ作業で茎切りを行って、この時点でMとS、種、ハジキものを選り分けながらコンテナに入れます。
これを10kgずつにんにく乾燥ネットに移して、乾燥ハウス内のハセにネットを2つ折りにして掛けて乾燥させています。乾燥ハウスは屋根ビニールの上に遮光ネットを掛けて光をマイルドにし、急激に温度が上がらないようにしています。黒いコンテナには種用が入っています。
10kgが7kg程度になったとき、乾燥は終了とします(7月31日の予定)。
そのあとは、種用を除き、-1度の冷蔵庫に入れ長期保存に向け貯蔵します。種用は冷蔵しない方が良いとの説があって、常温の作業場に入れて、9月下旬の植え付けに備えます。このことから、もし種用にお求めの際は、今月中にご注文をくださいますと、冷蔵庫に入れないような措置ができます。
さて、にんにくと併せて、小麦も刈り取りをしました。これは南部小麦専用に確保した10アールの畑です。やや離れた場所にあり普段あまりこないため、管理不足は否めません。。雑草にもやられましたし、鳥害なのでしょうか。穂の部分が切り取られてなくなっているものも散見され。。
こちらは、コユキコムギ。右にはイワテヤマナシを植栽しています。2列ほど大麦を蒔いてみたのですが、虫か、鳥か、穂の部分がちょん切られて、全滅です。背丈も取れませんでしたし、大麦は多雪地帯では合わないのかもしれません。ご飯に混ぜて炊くための要望を受けて試してみたのですが、残念な結果でした。ファイバースノーという品種でしたが。。
こちらはライ麦です。約3アールの痩せた石カラの畑で、何を蒔いても背丈が取れず小麦もバインダーにかからないほどのミニサイズで手に余していた畑でしたが、ライ麦は大丈夫でした。しっかり育ってくれ、無事収穫に至りました。ライ麦は歴史の深い麦になります。小麦なども品種改良が盛んですが、当園では古くから栽培されている品種の方に力を入れたいと思っていて、南部小麦やゲオルグ・シュトルム神父のアリーナなどにこだわって栽培を続けています。
南部小麦の面積がやや増えたこともあり、乾燥ハウス内に全ての麦を掛けることは無理となり、ライ麦だけ、外のハセに掛けました。雨よけのビニールを掛けてやります。
最後に、ブルーベリーの様子です。去年のような大雨も毛虫の害もなくて、まずまず、ほどほどに実をつけてくれています。お伝えしておりますが、7月に採れる「アーリーブルー」を増殖し、全体の半分をこの品種にと改植をしていまして、その去年と今年に植えたアーリーブルーは未成熟の未収穫樹であるために、まだ8月のブルータ・ブルーレイが主役になっていて、これからがメインの収穫となります。
既にご注文いただいた量で手一杯になっており、今年はこれ以上のご注文を受けることはできないのですが、来年以降、少しずつアーリーブルーが成熟し実をつけてくれ、収穫量が右肩上がりになっていくことを期待して待っています。
切り花りんどうの出荷が例年より前進して出荷が始まっています。需要期前で価格は低迷しており、逆に最需要期の来月10日頃には物流がなくなるのではとも心配されます。
いろんな作業が同時に求められ、体一つでは追いつきません。唯一、夏休みの子どもたちにブルーベリーの採果を委託し、それ以外の管理作業やにんにくの皮むき作業をこなしながら、現在のメインの作業であるりんどうの出荷に立ち向かっております。多くのりんどう農家が思うと同様、早く値段が上がってくれることを願っております。
当園のブルーベリーは無肥料の自然栽培になりますが、その限られた少量の実をカラスが容赦なく狙ってきます。今年は5匹連れの徒党がわが家の近辺をぐるぐる徘徊し、ブルーベリーにも目をつけています。対策として、採果期のみですが、釣り糸と3Dホログラムテープなるもの(ネットで購入)を張り巡らせています。釣り糸だけでは糸のない場所を選んで侵入してきましたので、3Dテープで増強した次第です。
パラソルとキャンプ用の机も園内に設置していますので、子どもたちにここで見張りを兼ねながら宿題や読書をやってもらおうという計画です。
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ブルーベリーに向き合う日々2015.06.12 Friday
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2003年にブルーベリーを植えて10年以上経っていますが、いわば粗放栽培でして、手入れといえば園地の草刈りくらいのものでした。特に熱心に勉強もせず、実をいえばあまり親密に関わってこなかった部門だったろうか、というのが本音かもしれません。
そんな態度が災いしてか、昨年はマイマイガ(の幼虫)にかなり食害を受け、本当に実が少なくて、出荷もあまりできませんでした。
こうした姿勢を反省し、今年、このところはほぼ毎日、マイマイガの毛虫捕りを続けております。併せて折れた枝なども切って管理に時間を取るようになっています。立っての作業だし、しゃがんでする作業より楽ですしね。それにしても、2年続けての大発生となっております。
ブルーベリー園も5か月間、深い雪に完全に埋もれてしまうため、雪囲いをしていても、結構あちこち折られ、経年のダメージによりダメになってきている木も出てきておりました。そこで、先週ですが2本ほど苗木を導入することにしました。
1本は完全に枯れているところへの補植、もう1本はまだかすかに生きていたので別の場所へ植え替えて、それが元あったところへの補植であります。縦横ともに5m間隔で雪囲いの中心の棒を立てて植えており、位置が決まっていますので、前の取り去った後に改めてしっかりスコップで掘って、ピートモスで包むようにして植え付けました。
購入先は花巻市の「だいわブルーベリー園」さんで、極早生の「アーリーブルー」を導入しました。花巻へは「なめとこライン」を通って夏場は割と早く行けます(市街地まで45分くらいですか)。アーリーブルーは風味も気に入っておりまして、7月中の収穫も可能な品種です。あまり大きくならないのですが、この木はこれで6本になったと思います。
今回大きめの鉢(ポットですが)を買ったということで、「スパルタン」と「プル」の小さい苗木を2本ずつサービスしていただきました。両方とも早生系です。大事に育てたいと思います。雪さえなければ、ここは酸性土壌でブルーベリーには合った土壌かと思います。この園地の土地には粘土も入っておりませんし。
現金なもので、お金を出して苗木を購入したことで、何となく園地への愛着が増してきた気もします。。毛虫捕りだけでなく、何かと足繁く通っている昨今でして、ブルーベリーの栽培書も購入し(NHK趣味の園芸シリーズ)、剪定についてもしっかり学びたいと思っております。収量が落ちているのは毛虫だけのせいではなく、剪定をきちんとしてこなかったことによるものと思います。
田んぼの方ですが、1回目の除草機がけを行って、その翌日に米ぬかを散布しました。散布したのは「いわてっこ」に対してだけで、ひとめぼれについてはいもちの危険を考慮して、生の米ぬかを入れることはやめました。いわてっこには今回反当たり80キロくらい投入した勘定です。その分、春先の元肥はいわてっこは少なめにし、ひとめぼれはしっかりと投入しておいたという形です。
現在、1週間経ってトロトロ層ができ始めています。写真は米ぬか散布直後ですが、米ぬか袋(約15キロ)を担いで田の中を撒きながら歩く散布作業はなかなかの重労働です。
これで、2月から始めたコイン精米所通いの米ぬかスケジュールが完了となりました。
現在はりんどう苗の定植に没頭しています。腰が辛くなると、先の毛虫捕りやジャガイモの土寄せ、田の下側になる畑に漏水対策の排水溝を掘ったり、いろんな用足しを混ぜながら、ゆっくりと進めております。
今日の夕方には、6年生になった上の娘が修学旅行から帰って来ます。昨日の松島方面の日程は晴れて良かったでしょうが、メインとなる今日午後の遊園地「ベニーランド」は、ヤフーの天気によればどうも予定通り雨が降り始めているようです。修学旅行というのはよく覚えているものです。昔の小学校の話ですが、事前に全部荷物を詰めて学校へ行き確認のチェックをしたり、列車の乗り方(待機整列とか)や、4人掛けの席順も決めての予行練習を体育館でやったものでした。どんな話が聞けるでしょうか。
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お米の低温熟成貯蔵2014.11.22 Saturday
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にんにく用に導入した-2度に設定してある冷蔵庫の庫内ですが、1坪もあるので、かさばらないにんにくだけではがらんとして勿体なく、今月から脱穀後の籾を追加で貯蔵しています。とはいえ、勿体ないという消極的な意味だけではありませんで、米も-1〜-2度という気温での貯蔵がベストなのだそうです。
ジャガイモや大根あるいは寒じめほうれん草で、寒さに当てると糖度の熟成が進むという事実があり、実際水と違って糖分の含まれる作物は0度で直ちに凍るものではなく、その温度はそれぞれだそうです。そして凍る寸前の温度というのが作物の保存には優れた効果があり、とも言われていて、せっかくにんにくのために-2度の設定にしているのですから、同じ氷点であると言われる米も入れた方が良いだろうというのが私の判断です。いずれそうでなければ、わざわざ他に作業場のスペースを使って置かなくてはいけないし、そもそも作業場内も真冬には-10度以下にもなったりしますね。作物の貯蔵には温度を一定に保つべし、という常識もあることですし、呼吸を減らして老化を遅くするということにもなりましょう。籾で貯蔵していることで、にんにくから臭いが移るということもまずないでしょう。
春になれば先ににんにくはなくなると思いますが、そうしたら4月いっぱい残るであろう雪を庫内に入れて、0度ギリギリの設定で、電気使用をできるだけ抑え、湿度効果もある雪室貯蔵として切り替えていきたいと思います。あるいはその時点で庫内を+10度に上げたとしても、既に氷温熟成効果は得られているということです。
この作業場の手前は真冬には3mの雪の壁がそそり立って、簡単には来れないところなので(ましてや30kgの籾を担いで壁をよじ登るのは辛い)、春までの出荷分は住宅の方の作業場内の籾摺り計量ラインのそばに常温貯蔵いたします。この氷温熟成米は4月からの出荷の予定になります。
「氷温」という言葉はパテントがあるそうで、鳥取県にある「氷温協会」で管理し技術指導もしているということです。今回-2度設定の冷蔵庫に米を入れて凍ることはないか、氷温協会に尋ねて大丈夫である上に熟成効果も加わっておいしい米になるとのお墨付きをもらい、入庫に踏み切りました。にんにくがあるから、踏み切れたことでもあります。
ちなみに、発泡スチロールの箱には採って来た生のなめこが、1升マスの中にはヤマナシが実験的に貯蔵されています。間違いなく持ちは良いようですよ。いろいろ物は試しで、いま、何でも-2度の試行中。
いったん積もった雪があらかた消え、猛ダッシュでりんどうの片づけに追われております。刈り取りとおおざっぱな運び出しは終わりましたので、あとは細かく片づける作業や草取りに費やします。
また、昨日はタラノキの伐採も行いました。思い切って立ち本数を減らして、太い木を確保することができました。真冬の仕込み期に備え、施設の準備にも、改良を施しつつ、着手しなくてはいけません。
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奥羽山間地の夏景色2014.07.10 Thursday
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久しぶりの雨になっています。台風の被害が各地で出ていて、大学の頃過ごした長野でも土砂崩れが起き残念な気持ちです。。昨日までの夏空が早めに復活してほしいと切に願います。
小麦の出穂期にちょうど雨が降らず、例年より10日遅れで出穂した南部小麦がやっと色づいてきました。収穫は出穂時+45日後ということで、今月の20日過ぎ頃になります。その奥の緑色の小麦は「アリーナ」になりますが、これなどは月末ギリギリに刈れれば良しというくらいまだ先です。夏色の奥羽・沢内です。
出荷作業がない、ひたすら草管理の日々が続いていて、切り花りんどうの草取りに汗しております。今年の新植分も合わせ約63アールの面積ですので、すべての圃場の草を1人で取り切るのは事実上不可能です。年数が経ち今年で廃園かという畑など、長年蓄積された草でいっそう大変なのですが、最後の年にジャングルにしてしまうと、廃園時にネットを外したりマルチを剥がすときにうんと難儀し、結局潰すときになって草取りしなくてはいけないので、それならば管理の段階で頑張って草取りし、良い品質のりんどうを出荷し有終の美を飾るというのが筋でしょう。
ブルーベリーも収穫期が近づいているのですが、今年は残念ながら実の量が少なそうです。よく注意していなかった自分が悪いのですが、毛虫にやられたのではと思っています。実がゼロの木もあり、花芽を食べてしまったのでしょうか。。。
田んぼの方は、いまのところ順調です。2度エンジン除草機をかけ、2度目の直後に米ぬかを散布しました(6/19)。メインの作付けである「いわてっこ」に対してのみですが、反当たりおよそ100kg。元肥として耕起前に散布したボカシ米ぬかも100kg近く入れているので、トータルで150〜200kg/10a入っている感じでしょうか。
例年7月15日に水を落とし10日間の中干しに入ります。現在赤みのあるドロッとした土になっていて、いい感じです。ただ除草機は株間はかけられないので、そこは草も増えています。手取りできる余裕があれば。。。りんどうの草取りをまずは早く終えることです。中干しに入れば事実上草取りは終わるので、この5日間でできるだけのことをしておきたいですね。
収穫間近となったニンニク畑です。左の方のホワイト六片は既に茎葉の枯れが進んでいますが、掘ってみるともう少し尻が平らになってくれても良さそうという感じです。が、枯れ方から見て、もう大きくはなれないでしょうか。干ばつ時の潅水も適宜施して、慎重に管理したつもりではあるのだけれど。
中ほどは「八木」右の1列は「八幡平」です。10アールのニンニク作付けです。
たらの木の現在の様子です。5月下旬に2年目の株を2本、3年目の株を4本、芽を残して仕立てました。グングン生育しています。追肥も鶏糞を施し、秋に太い駒木を提供してくれるよう、育ってほしいところです。有機質のみのたらの木を塩素の入っていない井戸水でふかし栽培します。
草取りは無心になれるもの。理屈を考えず、ひたすら草に専念。とはいえ何かは考えておりまして、精神面は出荷作業時などよりは自由でいることができるようです。出荷時は神経が疲れますが、いまは腰が疲れます。
どんな出来秋が待っているのでしょうか。
今回の台風も含め、これらの作物たちに被害がないことを願うばかりです。
やがて白い世界がすぐ来るわけですが、田畑が片づいている時はやはり気持ちがいま現在より安心ですね。何より稲を脱穀し終えて籾を小屋にしまった時が一番ホッとする瞬間といえます。
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冬の生鮮食材・タラノメが始まりました2014.02.09 Sunday
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相変わらず降ったり止んだりの毎日で、晴天を見ることがない西和賀ですが、例年に比べて激しい吹雪が少ないようにも感じます。もっとも家の周りは既に2m以上の崖っぷちになって、高低差の激しい雪の造形になっており、作業場やハウスのある方面への通行が大変になっていて、ちょっと奥の作業場へ工具を取りに、というときもスコップ片手に重装備で出かける、という真冬の奥羽地方です。。関東も割合と降ったようで、大変そうですが。
そんな外は真っ白の厳寒のただ中に、施設の中で青い芽が出て作物が収穫時期に至っている。これは就農以来20年近く叶うことができなかった「冬の収穫」の実現でして、長かった道のりを思うと感慨深いものがあります。もっともまだ今年も冬のアルバイトは継続しておりまして、かえって週末中心のこの作業が加わったことにより、忙しさも倍増し、まさに休む間もない冬の日々が続いています。決算もしなきゃいけないのですが、まだ記帳自体が終わっておりません。。。土日祝日はやることに追われせわしなく、かえって平日の実験室での土の分析作業の時間の方が落ち着いて楽になっているというか。。。とはいえこの分析も依頼点数が増えていて、3月中に終われるように、かなりスパートをかけなければいけない事態です。。。
木曜日には雫石のタラノメもされている農家の方のところへ見学に行かせてもらいました。同じ山形の柿崎さんの品種「あすは」で、規模も大体同じくらいでした。温度の確保が課題のようで、いかに保温し温度を与えるかが最大のポイントと実感しました。隣町に同じ生産者がいることはとても心強く感じます。
昨日初めてタラノメを収穫しました。これで50gになります。市場ですといまいくらでしょうか。地元の観光・飲食施設への出荷と当園のインターネット販売で出荷していけたらと考えています。畳4枚の面積ですので、以前のタラノメ記事にも書いたのですが、ただ量を売りさばくような形でなく、なにかしらここ奥羽の地に観光で訪れる方を対象にした形で、地元の特産品づくりにつながるスタイルになればと思っています。今週は「西和賀むらづくりフォーラム」も町内で開催されるようなので、ここに出品して、まずは町内の関連の人たちにアピールができればなと考えています。併せて、収穫期の写真まで通して揃ったので、サイトの方もこれから作っていきます。どうぞ宜しくお願いいたします。ただ通販の場合は送料が発生しますし、単品よりも、お米のご注文の際に1、2パックを同梱するような形でお求めいただければ、と考えたりいたします。
昨日初物を採り、早速天ぷらにしてみました。塩でいただき、早春の風味を感じることができました。今日も午前はこれからの一連の収穫後に、スムーズに次のふかし込みが行えるように、第2期の駒木を切断準備する作業を行って、コンテナごと雪の中に突っ込んでおきました。午後は収穫作業を行って、明日、「ドライブインおよね」に初物の試作品として届けてみたいと思っています。
一方、なかなかブログ記事の投稿が遅れており、まとめての記事になってしまいましたが、先週の日曜日には、東京の国際フィーラムというイベント会場にて、新規就農の希望者のための相談会(いわゆる就農フェア)が行われ、一応Iターンの先輩農家ということで、数名の農家とともに「なんでも相談員」として呼ばれ、出かけてきました。タラノメの始まる1週間前で、助かりました。
各県の関係機関と研修員・従業員を受け入れる農業法人がブースを持ち、別の一角では時々事例発表が行われておりました。全国ニュースでも放送されたそうですが、若い層が多く目立ったのが印象的で、一時の定年帰農志向とまたちょっと変わってきたのかなという感じでした。会場は広いので、ピンクの制服を着た女性たち(リクルートの人らしいですが)が来場者を引率して場内を案内していました。「こちらは、既に農業を始めた方が何でも相談に乗ってくれるブースです」という感じで。
私もそうでしたが、非農家の都市生活者がIターン入植するというのはかなりの落差というか違いがありすぎて、本を読んだりしてもなかなかイメージがつきにくいものです。しかも経営者になるわけで。そういうまだ漠然とした右も左も分からないという段階の人が、初めて相談に行くようなイベントになりますので、モヤモヤしたイメージに少しでも交通整理ができればというような感覚で話をしてきました。が、何せ人が多く、昼を食べる間もありませんで、夜の懇親会で変に酔わないか心配でありました。
翌日は農水省に出かけ、国の人と新規就農に関する懇談会に出てきました。私は特にいま研修生を抱えたり相談に乗ったりしているわけではありませんでしたが、何かしら抱えている立場の農家さんは結構真剣に問題提起をしておりました。就農支援資金や青年給付金などでスタートした参入者も、やはり次のステップアップの段階で苦労しているという感じで、よくわかる話です。いろんな研修制度、勉強のコースなどを国でも用意しているようでしたが、目の前の課題に悪戦苦闘する新人農家には、まずはがむしゃらに動くだけなのではとも思いました。余裕があれば何でもできるでしょうが、余裕がまずありません。。。
1泊2日でこっちに戻れば、雪明かりの季節。これは金曜日の盛岡、サンビル前の岩手公園での雪明かり像です。
そして、本場地元西和賀の雪明かりです。これは若畑地区のものです。町内全域に、各地域ごと、各家ごとに作る習わしです。年々大がかりになってきますね。端っこにはかまくらがありました。写真左に写っているのは賢治さんでしょうか。娘が代理で撮ってきた写真で、私は記帳、記帳。。こうした行事、消防の用事、いくらでもやることが尽きず、取捨選択して乗り切るしかありません。あさってが休日なのは救われます。。。
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小麦の出荷を開始しました2013.09.14 Saturday
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既に秋の気配の奥羽の里は、稲刈りを目前に、ただいま特産品である切り花りんどうの彼岸需要向けの出荷に追われています。当園でも今期ラストの草刈りを何とか終わらせ、また拡大するにんにく圃場の畝作りとマルチ張りもやっと終えて、やっとりんどうの収穫作業に専念できる状態になりました。小麦の脱穀も懸案作業の一つで、お盆過ぎまでにんにくの乾燥のためシルバー幕で遮光していたのが小麦にとってはアダとなり、天候不順も災いし、乾燥が遅れていまして、脱穀作業も大幅に遅れました。上は刈り取りをした(南部小麦の方ですが)7月20日の様子です。今年は割とうまくできました。当たり前にやることをきちんとすれば、それなりには穫れるものですね。小麦はやはり鶏糞などの肥料をしっかり入れてやることのように思います。自然栽培の場合はどうでしょうか。小麦は米と違い「地力」に頼ることは難しい気がしています。が、草堆肥をうまく使うことで肥料分も確保できるのだろうと思いますが。当園では手が回らずに春の土寄せ作業ができず、収穫前に草刈り機で畝間を刈り歩いたりしますが、そういうことではたいした量にもなりませんし、時期も遅いですね。刈り取り後に雑草の原っぱを耕耘しますが、そういうことではなかなか土作りには至りません。。。にんにくの乾燥終了後に、遮光を外したハウスの中で、改めて乾燥を続行中。天気が悪かった今年の夏。時間がかかりました。。。こうして待ちに待って8月28日に脱穀をしました。次いで、選別を籾摺り機で。ハーベスタから出てきたままの玄麦には茎やら穂の残骸やらがかなり混じっています。前は選別を唐箕でやったりもしていましたが(唐箕もちゃんと中古の店で探して買ったのです)、時間がかかって大変で、有機農家の方から教えてもらった籾摺り機による選別にいたしました。今度は玄米に麦が混じるぞと思われるでしょうが、近所の方より念願の4枚の網のついた籾摺り機をいただきましたので、これまで米にも使った写真の籾摺り機は、当面小麦専用にします。収穫物としての出口に回らずにもう一度機械内に戻る系統のパイプがありますが、麦だとこちらが詰まるため、また玄米と違って殻はすべて取れていて戻らせて再選別する必要もありませんので、戻りパイプを外し袋で受けて、上から排出される方の袋と2系統で実を受けます。そういう写真です。本来小麦適地ではない雪国の里沢内ですが、小麦玄麦の注文も結構いただくし、作型が同じであるにんにくと輪作にすることで、にんにくによる連作障害回避を狙っています。玄麦のままでのご注文も多いのは、製粉機をお持ちのケースもありますし、また玄麦のままパン作りの酵母に使用されるというケースもあり得ましょう。わが家では大体あと3キロくらいになったときに品切れにして、雫石町の老舗の製粉所さんで粉にして家庭用にしています。ブログにも書きましたがクリスマスのケーキにも使いました。冷蔵保存しておけば翌年の収穫までもちます。11月くらいになって十分在庫があった場合には、この老舗の製粉所による小麦粉も注文を受けたいと思います。これはフスマが別に分けられて仕上がるので、自由な度合いで全粒粉のブレンドを作ることができます。1kgにつき100円の製粉代がかかるのは、ちょっと負担なんですが。なお、小麦も脱穀後の9月4日、西和賀町役場にて玄麦の放射線測定いたしました。小麦のページにも記載しておりますが、セシウム137(検出限界計算値は5Bq/kg)、セシウム134(検出限界計算値は6Bq/kg)、ヨウ素131(検出限界計算値は25Bq/kg)ともに不検出でした。話は変わりますが、現在、このpowerPCのPowerBookに限界を感じ、インテルの入った新しいMacの購入を検討しています。ウィンドウズのノートが壊れてしまい、農業簿記ができなくなっていて未記帳のレシート類がたまっていることもプレッシャーになっており。。。今度は農業簿記もMacに一元化すべく、Mac用の会計ソフトなども探しておりましたが、これがなかなか見つかりませんで。。。新しいソフトを買って慣れぬ勉強をするよりは、そのお金でMacにWindows8とエミュレーターソフトを入れて、使い慣れたウィンドウズ用のソフトを再登板することにしました。もちろんいつか弥生会計などに替えても良いのですがね。ノートはまだこのPPCがあるし(貴重なPhotoshopやIllustratorのCSが入っており、最新のOSでは移行して使えない。。。)、iMacかMac miniかで頭を悩ませています。現行モデルのMacから遠ざかって久しく、最新事情についていけていませんが、こういう悩みは楽しいものです。久々にMac雑誌を買ってみたくもなります。Macにはやはり農機具のような仕事のもの、でなく、所有の喜びを感じさせてくれます。気持ちはMac miniに傾いていますが、Macでディスプレイを統一するとなると単体で9万円以上と高価で、3万くらいの他社製のディスプレイにするか、いや思い切ってサンダーボルト接続という最新のコネクターのアップル純正の9万にこだわってみるか、思案中です。。。現状のりんどうの稼ぎでは9万はきついか。。。まずは彼岸出荷と、にんにくの定植と、稲刈りという秋の正念場を乗り切ることが先決のようです。受験生のような気分ですね。
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新にんにくの準備ができました2013.07.25 Thursday
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雨雨雨、の奥羽地方です。梅雨明けはないんじゃないかといった気配で、以前の猛暑予報とはかけ離れた気候になっています。7月も終わりに近づいていて、当地ではこれから切り花りんどうの出荷が始まります。当園ではその前ににんにくと小麦の収穫がありまして、この悪天候の間隙を縫うように、にんにくをまずは7月16,17日両日で掘り上げました。結局春になってからの出芽となった「八幡平」はまだもう少し早いみたいで、今月末ギリギリ辺りの掘り上げになりそうです。にんにくは根の付いた底の部分が平らになった時が適期とされています(逆に根の周囲の鱗片が根際より垂れ下がっていると、それは遅い)。今年はにんにくの肥大期6月に雨が少なくて、小振りなのではと心配しましたが、掘ってみると、大体平年並みのサイズになっているようでした。大きい物は大きいなりに、小さい種の物はまあ小さく、といった感じでしょうか。市場という膨大な相手に出荷するにんにく生産者は、当たり前のように大きいサイズを目指して栽培するものですが、当園のように市場ではなくHPでの販売をする者にとっては、値段のバリエーションが必要で、やはり安価なSサイズも必要ですので、「種はLサイズで」というセオリーにはこだわっておりません。Sサイズ品もしっかり準備しておりますので、どうか本年のにんにくも宜しくお願いいたします。現在は、水稲プールハウスを乾燥ハウスとしており、ここにシルバーシートを掛けて直射日光を遮るようにして、にんにくの乾燥を進めています。青いネットでくるんでいるのは、小麦も干しているからで、鳩避けであります。なお、今年のにんにくは、一般的な「ホワイト六片」よりも、より当園の環境とも近い秋田県の「八木」という在来種を多く生産しています。マイナーな品種でホワイト六片よりは若干ですが出芽が難しい点もあり、これまで値段的にも高めに設定しておりましたが、今年は主力品種にということで、値段を下げております。いつまでも「マイナー気分」でもいけないという気持ちも込めてみたく、今期より、お求めやすくさせていただきました。宜しくお願いいたします。現在はまだ「生」にんにくになりますので、もしいまだけの旬のみずみずしさを味わってみたいという方は、生出荷でのにんにくをぜひお試しください。通常の乾燥が終了するのは8月後半になります。一方、こちらはこの秋ににんにくを作付けする去年まで田んぼだった圃場です。5月にエン麦を蒔きまして、2か月余り。穂が出るほどに生長したので、すき込みの準備をしているところです。1mくらいに伸びたエン麦をなぎ倒しながら、運搬車で牛糞堆肥を散布して回っています。堆肥の前には、米ぬかを150kg(この圃場は約12アールです)ほど投入し、そして堆肥、これに緑肥のエン麦が加わって、土作りの素材が揃いました。このあと、トラクターで丁寧に耕耘し、全部すき込んで、まずはこの時期の作業を終了しました。これから9月までにこの3種の素材が腐熟して土に好影響を与えてくれると信じています。この秋の作付けのために、青森の農家の方からにんにく種子を購入し(現在購入できるのはほとんどホワイト六片だけです)、それに当園の「八木」と「八幡平」を加えて作付けします。面積的にはこれまでの3倍になります。HPでもしっかり売っていきたいですが、いきなり3倍の注文も来ないでしょうし、地元の旅館や店舗でも扱ってもらえるようにしたいと考えています。来年の夏以降の話ですが。。ぜひ加工も行ってバリエーションも広げたいものです。問題は11月頃の出根・出芽をどう抑えるかで、そのための冷蔵庫の導入も必要になって来ることですね。にんにくは当地に合っていると思っているし、無農薬自然乾燥の風味も良いと感じております。うまくにんにく部門のステップアップが遂げられればと願っています。こちらは南部小麦で、好天だった7月20に刈り取りました。当園では「アリーナ」というスイス伝来の強力の小麦を主力としたいのですが、昨年注文が多くて種が不足してしまい、今年収穫するアリーナは全量種に回します。来年はしっかり確保できるよう努めますので、今年はこの南部小麦のみの販売になりますが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。自然乾燥の小麦色の小麦をご利用ください。岩手の食文化を支えている食材です。鳩避けを施したハウス内で現在乾燥中です。こんなに雨が多い年では、ハウスなしでは乾燥は難しいでしょう。さて、小麦を刈り取った翌日の21日は海の日で、子どもたちのリクエストに応えて、海に行ってきました。高田松原の一本松を見ました。周りは当時のままになっています。市街地域に目を転じればクレーンが何基も設置され、休日とはいえ工事車両が頻繁に行き交っています。この「奇跡の一本松」には1億5千万の経費がかかり、確か今月の3日の日に据え付けられたばかりと思います。この修繕費は全額寄付でまかなえたらしいですが、地元では復興そのものをまず進めて、それから後でも良かったのでは、という意見が根強いようです。私にはなんとも言えませんが、休日ということもあってか、松を見る観光客はとても多く、そしてわが家の子どもたちも何かが心に刻まれたようでした。そういうきっかけとなってくれたことは良かったと思いますし、震災のモニュメントとして記憶に引き継がれていきつつ、同時に地元への経済効果にも大いに役立ってほしいと思います。さて、大船渡で、初めての海釣り体験をしてきました。初めて見るイソメは気持ち悪そうだった子どもたちです。たいして釣れませんでした。かえって今度は砂浜を選んで投げ釣りをしてみようかと思います。来年の話になりそうですが。。碁石海岸で水遊びをし、くたくたになって帰ってきました。今日は高校野球の県大会の決勝でしたが、雨で流れました。しばらくぐずつきそうです。りんどうの出荷期になっていますが、りんどうにとってはこの天気は結構なことで、晴れて気温が高い日が続くと、開花が抑制されるし、花に光線による障害が出ます。とはいえ、雨続きだと恐ろしい褐斑病を招く危険があり、今年はそれがとても心配です。現在は「いわて夢あおい」という極早生の青りんどうを出荷しています。雪解けの遅さから全ての作業が時間不足で後手後手になっていますが、お盆りんどうの出荷ピークが来る前に、草刈りや草取り、りんどうのネット管理作業や追肥、そして後に少し残っている「アリーナ」小麦と「八幡平にんにく」の掘り取りを終わらせておきたいものです。一段落、という時期はありませんでした。
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タラノメの栽培2013.07.06 Saturday
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昨年来、新規導入している品目に、タラノメがあります。昨年および今年と2春、優良系統の種根を購入し、木の栽培を進めております。写真は2年目の木で、去年いっぱいは、こんなんで大丈夫なんだろうかという程度の生育だったのに、2年目のこの春の勢いはかなり旺盛でして、6月末の時点でこれくらいまで育ちました。これを秋に草刈り機等で伐採し、さらに駒に切断して浅めのコンテナ等に入れて水を吸わせながら加温してやると、真冬にタラノメが収穫できるというものです。自然状態で翌春に起きることを冬のうちに行う、という作型になります。これがその種根というもので、成木の根の比較的若い部分を切ったものです。この断片から芽が出て、それを移植するわけですが、この芽出しが困難で、なかなか簡単に発芽してくれません。温度管理と湿度管理の兼ね合いが微妙で、技術的にはかなり高度と思います。これは1cmくらい芽が出た根を、無肥料の水稲培土を使ってポットに移植した状態。畑に直接植え付けても良いかもしれませんが、潅水ができず、枯れさせることもありうるので、一応ポットで管理してから定植しています。まだ冬に出荷する「ふかし栽培」の器具資材等何もない状態で、年間の全貌はつかめておりませんが、木の養成中で穂木が十分に揃わない現状ですし、今年の秋は駒にする穂木そのものをこの育成者から譲られて、それで施設を組み、次の冬には出荷ができるという予定で進行しています。その際にはまたHPの方でも掲載しますので、興味がおありの方はぜひお試しいただければ幸いに思います。市場出荷は行わず、地元の産直店や温泉旅館との提携を主として、山菜の本場である当地の冬場の地場産品として取り上げてもらえれば、と思っております。それとHPの販売とで売れていけば良いなと願っています。その優良系統の育成者が山形の農家の方で、この柿崎さんは山から有望な株を採取して育種を重ね、それまでの系統では壊滅的な被害を時に招いていた「立ち枯れ病」にならない品種を開発し、種根を供給する仕事に従事する方です。この品種はまた日照が足りない状態でも色が悪くならず、当地のような豪雪地帯でパイプハウスの雪害と隣り合わせの地域では、作業場の中で十分栽培ができるということで、導入に踏み切ることができました。何百万もする除雪機を購入し、一冬10万円燃料代をかけることは当園の財力では不可能ですので。。柿崎さんのことは去年の5月に初めて種根を買いに行った時の記事を書いておりますが、その日は雨で、叶わなかった山小屋での「篭ターザン」に、今年の5月、やっと乗ることができました。これは別に一般開放している遊具などではなく、柿崎氏が障害を抱えた施設の子どもたちを時々呼んで遊んでもらうために作ったものだそうです。こちらは誰でも乗れる「トロッコ列車」。真室川町の「梅里苑」という産直や温泉のある施設に設置された本物のトロッコです。かつては木の切り出しに実際に使われていたもので、1回100円で10分くらいでしょうか。1周する軌道が気持ちのよい森林の中に敷設されております。土日だけの運行のようですが、こちらへお越しの方はぜひ一度乗っていただきたい乗り物です。これも、今年実現しました。また、タラノメについても時々記事にしたいと思います。冬の到来が早い当地では、逆に他地域より早い時期の出荷ができるかもしれませんし、雪雲に覆われて放射冷却の低温に下がりにくい当地では、電気代の節約にもつながるかもしれません(まあ日中は盛岡等より寒いので同じかもしれませんが)。大体この真室川自体も豪雪地でありますので、タラノメと雪国の相性は良いかもしれませんし、長野北部の積雪地帯でも行われているようです。秋にはまずコンパネやパイプを仕入れてふかし栽培の棚を作らなくてはなりませんが、それも晩秋の楽しみとしてとっておき、まずいまは田んぼやりんどうの管理に全力を注がなくてはですね。あと1週間でニンニクの掘り取り、そしてその1週間後には小麦の刈り取りも時期を迎えます。今年の小麦は販売は南部小麦のみとし、去年売りすぎてしまったアリーナは全量秋の種まきに回しますが、南部小麦も味わいのある岩手の食文化を支えてきた品種ですので、自然乾燥の小麦色の小麦を、パン作り等にぜひご利用いただければ幸いに思います。
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作物の成長期です2013.06.28 Friday
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6月は作物の一番の生育期です。特に雪解けの遅い当地では、どうしても4月5月は低温気味で、6月に急激に気温が上がる傾向もあり、短期間で成長を要求されるという土地柄です。本当はじっくり時間をかけてじわじわと育ててやりたいのですが、近年の極端化傾向の気象では、ますます落差の大きい気候になっているようです。そんな貴重な日射しを浴びて、ニンニクも、小麦もグングン育っています。もう6月の末ですから、岩手でも内陸の暖地では収穫期を迎えるところでしょうが、ここはまだいいのです。まだまだ3週間(ニンニクは2週間か)、ここからやっとじっくりと育つところでしょう。当園で増やしている岩手原産「八幡平系」です。いろいろ試行錯誤しているのですが、なかなか秋のうちに芽が出てくれず、雪解け後の5月になってやっと穴から芽が出てきたものも多く、それらは多分6球とかには分球してくれず、2、3カケラの不完全なものになると思います。種として増やそうとしているのに、1カケラが2カケラになる、しかも欠株もあり、ということで、なかなか増大しないのが難点です。早く植えれば秋のうちに芽が出るのでは、と思いがちですが、休眠が深く、結局11月頃になって、「どれ、そろそろ出るか」と重い腰を上げてくれたときには、既に発芽させるだけの気温地温を下回っている。。。ここでは。。そういう状態であろうと推測しています。休眠の早期打破のためには、低温貯蔵が良いのか、高温貯蔵が良いのか、いずれかの選択肢ですが、低温だと翌年の生育に影響が出るらしく、また高温だと飴色になる「煮え」現象でダメにしてしまうというリスクが伴うわけで、苦慮しているところです。春に発芽するイネでは高温で打破するので、秋の発芽のものは低温で打破するのでは、とも思いますが、そう単純なことではないようですね。さて、当園ではニンニクを拡大する計画です。自然乾燥でマイルドな風味を好評いただいています。ホワイト六片だけでなく、ここからも割合近い横手市近郊の「八木」の2本立てで、これに何とか岩手の八幡平を加えたいところです。いつも12月頃に品切れになってしまい、大体そこで残るSS発芽・発根で商品価値を落としてしまうという繰り返しです。産地では氷温貯蔵(-1〜-2度)により管理しているようで(加えて空気の成分を変えるCA貯蔵というやり方で)、当園でもそうした冷蔵庫の導入を検討しているところです。そう大型のものは買えませんが。。その貯蔵法で休眠打破後の11月12月を乗り切れば、あとは厳冬期ですから常温でも芽が出るはずはなく、春までは品質を保持できるであろうかというもくろみです。発芽が促される4月になって雪貯蔵すれば、もっと引っ張ることもできそうです。製品の面では、ずっと休眠し続けてほしい、という種の場合とは逆の現象で、うまくいかないものですね。写真は秋の定植予定地(前年は田んぼ)に、5月に緑肥としてエン麦(ヘイオーツ)を蒔いたもの。まだもう1か月待って、ほどほどに大きくなったところに、地元産堆肥と同じく地元産の米ぬかを散布してすき込むことで土作りし、1か月後に鶏糞等の有機質肥料とカルシウム資材(苦土炭カル等)を施し、その1か月後に畝立ておよび植え付け、というスケジュールで計画しています。その出荷は来年の8月からになりますが、高品質のものを供給量を増してお届けしたいと思います。併せて行く行くはニンニク加工についても取り組みたいですね。さて水田の方は、まさに除草の真っ最中です。今年は人手のない一人農業の状況ですので、チェーン除草は省略しました。最後の手取り除草もなるべくならしないに越したことはないです。そのためにはこのエンジン除草の回数を増やし、機械の届かない株間の方も草が育ちにくい環境にし続けることしかありません。写真は初めて導入した「ひとめぼれ」の田です。近年の猛暑傾向が今年も訪れてくれれば成功なのですが、当地は寒くて本来は不適地であります。賭けになりますね。ただ、そこでこの秋に無事穫れたものを種にすることで、ここに合った個体が淘汰選別され、来年はより収量を上げることができるのでは、と考えたりしています。別な田ですが、除草機をかけた直後です。この濁りも抑草になります。ここは粘土質が強く、あまり大きく育たない田です。田によって条件はさまざまです。前はここでアスパラ、そしてニンジンも植えました。タイミングを見て、ここに米ぬかを散布します。それは抑草を狙うというよりは、米の食味の向上を考えて行っています。これは、昨年秋にりんどうを収穫後に廃園とした圃場の今年です。りんどうは慣行栽培になりますので、このように代かきをして、水をかけ流し状態にして、浄化を進めています。そしてその後の半年の雪を経て、来年春には水稲を作付けできるように待っています。ジャガイモ・ニンジン・大豆の畑です。ニンジンは野口種苗よりお隣の町、秋田県山内地区(いまは横手市と合併)の在来固定種を購入し、播種しました。乾燥気味の日が続きましたが、昨日大雨が降りましたので、これで大丈夫でしょう。最後に、先般紫波ビューガーデンに行った時の1枚です。自然栽培でやっておられる方々が出店してちょっとしたマーケットを開催したイベントで、子どもたちのレジャーを兼ね行ってきました。ここは前回の記事でも書いたピアニストの富樫さんたちも秋に招聘されるジャズフェスティバルが開催される場所です。市街地も遠望されるこの「あずまね山」のなだらかな山腹はとても気持ちの良いところで、野外音楽祭には絶好のロケーションですね。ちょっとした遊具もあって、お弁当持参で休日を過ごすにも最適です。
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